<レンズが無い!>

遂にM6TTLを手に入れ、待望のライカユーザーに仲間入りした僕だったが、その前には大きな問題が立ち塞がっていた。レンズが無いのだ。

せっかくボディーを手に入れてもレンズがないと写真が撮れない。ライカを買う人の中には防湿材や防黴材といっしょに大事に箱にしまっておき、1年に2度くらいその箱を開けて眺め、布で磨いてうっとりするというコレクターもいるが、僕はコレクターになりたくない。あくまで、この頑強で手になじむボディーを持ち歩いて、数々の名作をものにしなければ、並行輸入のボディー代17万円+消費税8500円(消費税が高い!)が浮かばれない。

ライカはレンズも高価である。僕は購入にあたり、「17万円、ヘキサーRFと変わらないよ!」と妻を言いくるめていた。そんな妻が横にいるところで、さらに高価なレンズを買うことは絶対に許されなかった。

ここで僕は、かの友人のメールの中の一文を思い出した。
>>ウチにはズミクロン50mmF2が余っているから、金策がつくまでなら貸出可能。
早急に夫婦間協議をしたあと、まだM6を買ったマップカメラから50mと離れないうちに、僕は携帯で電話をかけた。

彼が電話に出たが、コンサートが始まるところで、またかけてくれと言う。
ドトールコーヒーで1時間待つ。
またかける。電源が切ってあるのかかからない。
ドトールコーヒーで粘る。

と、僕の携帯が鳴った。
「M6TTLを買った。」と、報告した。彼も仲間が増えたのが嬉しいのか喜んでいて、早速レンズを貸してくれるという。おお、本当に貸してくれるのか、太っ腹な友よ。持つべきは太っ腹な友である。それから30分後、僕は彼がその日たまたま持っていたズミクロン90mmF2.0を借りることが出来た。

M6TTLにズミクロン90mmをつけ、
さらに日本酒を飲んでいい気分

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