<ヤフーオークション>
すっかり落胆して家に戻った僕は、ふと思い立ってインターネットに接続した。昨今話題に上っているインターネットオークションでズマロンが見つからないかと考えたのだ。
聞いたことがあったのでヤフーオークションに接続してみる。サーチエンジンのヤフージャパンから簡単にオークションサイトに入ることが出来る。検索語を入力できるようになっているので“ズマロン”と打ち込む。
あったあったあった、
ズマロンだけで15件くらいは並んでいる。ただよく読むと大半はF3.5のモデルでF2.8は少ない。それでも5件のズマロン35mmF2.8が見つかった。
値段は様々で5万円くらいから10万円以上まである。単純なもので10万円以上になるとだれも入札していないらしく、「ただいまの最高額入札者」のところが空白になっている。逆に5万円くらいのやつは、もう何人も入札しているようだ。
現在の価格5万円、というズマロンがあったので商品情報を見てみた。写真が3枚載っていて、胴体に旋盤か何かで削ったような痕がある。なるほど、これが安さの要因か。
しかしレンズはきれいだ。説明でもキズはないと書いてある。
前にも言ったように僕はコレクターではない。ズマロンでいい写真を撮りたいだけだ。重要なのはレンズだ。この削り痕はボディーだけだ。レンズは大丈夫。撮れるはずだ。絶対撮れる。ちゃんと撮れるならこの値段は安い。入札しよう!
と、再び元気を取り戻した僕は、ちょっと面倒な登録作業を行い、早速入札してみた。50000円だったところに、52000円で入札した。決まるのは明日の夜。終わる前にまた覗いてみて入札額で抜かれていたら抜き返そう。そう思っていったんパソコンの電源を落とした。
後で考えると、こういう入札方法はよろしくない。欲しいものが見つかったからといってすぐに手を出すのは初心者である。肝心なのは最後の1分、時には最後の10秒であって、見つけてすぐに高値で入札したからといって、他に欲しい人がいたら最後の最後に自分のちょっと上の額を入れられて横取りされてしまう。最後の瞬間まで入札せず、少し余裕をもった額を終わる直前に入力すると手に入る確率が高い。
今回のズマロンでもオークション終了前に再びアクセスすると、58000円まで値が上がっていた。その後1000円ずつ競り合って、結局61000円まできたところで終了。運良く落札することが出来た。しかし昨日考えていた、「55000円くらいで落ちるんじゃ、、、」という予想は甘かった、、、
しかしこれで、自分のズマロンが手に入った。M6TTLと合わせて、わがライカシステムの完成である。いやシステムってほどでもないが、やっと独り立ちした気分である。爽快。
思い起こせば、この頃は良かった。所有する爽快さをたったの25万円くらいで味わっていたのだ。まだまだ、正常な一市民の僕であった。
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