<ズマロンを探して>

僕はズマロン35mmF2.8の描写をすっかり気に入ってしまった。
ここで問題はこのレンズ、人のものだということである。
借り物なので、キズつけないよう気をつかってしまう。いくら太っ腹な友人といっても、僕のミスでキズつけてしまったりしたら、罪悪感で顔をあわせられなくなる。レンズを借りてしまったがために友人を失い、顔を合わせないために逃げつづける人生、というのもドラマチックで面白くはあるが特に体験したくはない。

そこで僕は急速に、レンズを所有する決心をした。よし、最初はズマロンだ。35mmのF2.8だ。

ライカの広角35mmというと、ズミクロンが圧倒的に有名である。特に初期の8枚玉、と呼ばれるものは絶大な人気を誇り、中古市場でも常に20万円以上の高値である。そんなズミクロンにあこがれているあなたにも、ズマロン35mmF2.8はお似合いです。なにしろ、玉(レンズ)以外はそっくりです。キャップをつけて持ち歩けば、ズミクロンに間違えられること請け合いです。無限遠ロックもパチンと効きます。

しかし、今の僕はズミクロンよりズマロンである。その映りに惚れたのだ。けっしてズミクロンが買えないから、ではない。

またまた“ほとばしる所有欲”にかられた僕は、早速新宿の中古カメラ屋を回ってみた。西口からこの前ボディを買ったマップカメラ。そこから1分と離れていない中古カメラ市場。そしてガードをくぐって東口側にでてカメラのきむら。ショーウインドーをなめるように見回した。

ない、、、、、、、

ズマロン、実はレア物だったのか?友人は珍品を貸してくれたのか?

よし買うぞ!と意気込んでいた元気をすっかり失って、だらだらと最後の砦、歌舞伎町のトーホーカメラにたどり着くと、あったあった。5本くらい並んでいる。
しかし予想外に高い。比較的きれいな物だと9万円くらいか。
ズマロン、おまえもか。ズミクロンのようにどんどん高価になっていってしまうのか。

しばらくながめ回した結論は、ライカの広角は高い、ということだった。ちょっと9万円は想定していなかったので、(5−6万だと思ってた、、、、、)すごすごとトーホーカメラをあとにした。その後近くのタイ料理屋でカラオケをして金を使い、さらにズマロンが遠ざかったとかいうことは、特に報告しないでおく。

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Started from Mar. 9, 2001
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