<あたりとハズレ>
後で知ったのだが、濃いブルーに見えるコーティングのレンズには“当たり”が多いそうである。このズマロンの場合、シリアルナンバー160万台でブルーのコーティングだったのだが、このように、いつ作られたのかとか、どんなコーティングだったかで写りが極端に変わり、「あたりはずれ」が激しいこともライカレンズの特徴だ。
せっかく高価なレンズを購入したのに“ハズレ”の場合はものすごく哀しく、残念だ。(これは後に頻繁に経験するようになる。)
借りたズマロンは明らかに当たりである。
ズミクロン90mmの時は、良い写りに感動したものの、それは色合いの良さであったり、確かな立体感であったり、実は一般的な指標で評価していた。しかしズマロンは違った。
一般的には使われていないような、僕にとって新しい評価をしないと表現できないような、そういう魅力をズマロンには感じた。空気感とか、上品さとか。多分これがレンズのクセと呼ばれるものなのだろうが、そのような不思議な力で、切り取った風景を絵画的に美しいものにしてくれるレンズが、この友人から借りたズマロンだった。
ズマロンのせいで、僕の様々なライカレンズに対する憧憬は、引き返せないほど強いものになった。
自分のズマロンを、メガネの付いてないM6TTLにピッタリのやつを手に入れよう、と思うようになったのだ。
(ここまで、僕のライカとの出会いを紹介させていただきました。これからは自分のレンズを手に入れる過程を書いてみたいと思います。ライカの世界では、いいレンズに出会うことが決して簡単でなく、出会えたときの感動は格別です。)
次へ→
TOPへ
|